2020年10月29日、Fitbitが米国陸軍医学研究開発コマンド(USAMRDC:U.S. Army Medical Research and Development Command)によって、COVID-19を検出するためのウェアラブルデバイスの研究開発として、2.5m$の米国陸軍賞を受賞したと発表した。

Fitbitは、ニューヨーク州最大の医療プロバイダNorthwell Healthのファインスタイン医学研究所との研究を開始しており、COVID-19早期検出アルゴリズムの検証を進めている。

COVID-19を検出する研究プロジェクトの取り組み内容

今回の取り組みは、米国軍人の健康と軍隊運用を維持するためのMTEC(Medical Technology Enterprise Consortium ※1)の取り組みの一環である。
※1 Medical Technology Enterprise Consortium(MTEC)とは、産業界、学界、非営利セクターのメンバーで構成される国際的なコンソーシアムである。国防総省および民間支援と協力して、退役軍人や現役軍人および民間人を対象とした革新的な医療ソリューションの開発を促進する機能を持つ。

今回の受賞は、Fitbitがスタンフォードヘルスケアイノベーションラボと取り組んでいるウェアラブルデバイスでCOVID-19を検知する共同研究プロジェクトに基づいている。

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今回のプロジェクトにおいて、Northwell Healthの従業員に数千台のFitbitデバイスを配布する予定であるという。この研究プロジェクトを通して、Northwell Healthの従業員は、潜在的な病気の通知や、結果を評価・検証するためのCOVID-19テストを実施する。

「ファインスタイン研究所の専門知識、Northwell HealthのCOVID-19検査機能、および開発中のFitbitの有望なアルゴリズムの組み合わせは、特に最前線の医療従事者にとって、COVID-19の早期発見を加速するユニークな機会を提供します」と、ファインスタイン研究所の上級副社長・Dr Karina Davidson氏は述べている。


ー 技術アナリストの目 -
COVID-19検知のためのウェアラブルデバイスの活用の研究が増えてきた。政府機関・民間企業・大学が連携して加速的に開発を行っている。米国においてはCOVID-19が深刻であることもあり、これを機にウェアラブルデバイスの用途開発が進む可能性がある。