ローカル自律配送車両のNuroによるシリーズC

2020年11月9日、米国シリコンバレーのローカル自律配送車両を開発するNuroが500m$の資金調達を実施したと発表した。今回のラウンドでは、Fidelity Management & Research Companyなどのファンドや、ソフトバンクビジョンファンドなどの既存投資家も含まれる。これまでの資金調達総額は1.5B$となり、同社における資金調達のシリーズCにあたる。

まだ設立して4年程度しか経っていないが、巨額の資金調達に成功している自律走行ベンチャーだ。同社は人の代わりに商品を運ぶ電気自動運転道路車両を開発している。

フードデリバリー市場は世界中で拡大しており、DoorDash、Uber Eats、GrubHubなどのプレーヤーが熾烈な競争を繰り広げている。調理済み食品、食料品、医薬品、小売製品など、さまざまな商品を安全かつ確実に運ぶことが求められており、いわゆるラストワンマイルにおける自律走行が注目されている。

Nuroは2019年2月にもシリーズBで940m$もの資金を調達しており、わずか1年半での再度の巨額資金調達を行った形だ。

第二世代の軽量自律配送車両を開発中

同社は現在、第二世代の軽量自律配送車両「R2」を開発中である。2020年2月には米国運輸省(DOT)と米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)から自動運転車の規制免除が承認された。現在、カリフォルニア州、アリゾナ州、テキサス州で公道実験を行っているという。

同社Youtubeへの直リンク
実際に完全自動運転で公道を走っている様子がうかがえる

NHTSAによる規制免除により、R2は、通常人間のドライバーが使用するサイドミラーを必要としないため、車両は丸みを帯びたデザインとして幅を取らない仕様にすることが可能となっている。なお、自動運転のセンシングはLIDAR、レーダー、およびカメラが組み合わされて構成されている。


ー 技術アナリストの目 -
ラストワンマイルもこの1~2年のCESでも様々な発表が相次いでいるが、完全自律走行の商品・フードデリバリーでの公道実験も開始していることから、同社は今後の目玉の1つである。特にコロナウイルスの影響もあり、デリバリー市場の成長は加速すると見られ、実用化動向に注目だ。