2020年11月24日、中国広州のエアモビリティスタートアップであるEHang(米国NASDAQ上場企業)が、韓国のソウル、大邱広域市、済州島の3か所でテストフライトを完了したことを発表した。

無人自律飛行エアモビリティスタートアップEHangとは

EHangは、自律型航空機技術プラットフォームを開発するエアモビリティスタートアップ。2019年12月には米国の新興企業向け市場であるNASDAQに上場し、40m$の資金調達に成功している。

同社の機体はパイロット無しの自律飛行となっており、機体は小型で最大2名まで乗ることができる。旅客輸送、ロジスティクス、スマートシティ管理、空中メディアソリューションなど、用途は絞らずに様々な用途に使えるとしている。

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韓国都市航空モビリティ(K-UAM)ロードマップでのパイロットプロジェクト

今回のテストフライトは「韓国都市航空モビリティ(K-UAM)ロードマップ」に基づく取り組みであり、ソウル、大邱、済州島がパイロットサイトとして選ばれていた。このプロジェクトは、2023年から2025年までに都市航空モビリティサービスを商業化することを目的として、2020年6月にMOLIT(「国土・インフラ・交通省」)によって発表されたものであった。

同社公開のYoutubeへの直リンク
実際に機体が街中を飛んでいる様子が見える

今回のテストフライトでは以下の3ケースで無人の飛行実験を行っている。

ソウル:(エアタクシー)ダウンタウンの汝矣島から離陸し、人口密集地域を自律飛行
大邱市:(救急用途)火災緊急キットとAEDを含むパッケージを届けるミッション
済州島:(空中観光)空中観光の実際の使用例を示すために海岸線上空を飛行

同社が公開している動画を見ていただければわかるが、今回は無人ではあるが、街中をスムーズに飛行している様子がうかがえる。

(プレスリリースはこちら


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ー 技術アナリストの目 -
韓国でも積極的に政府・自治体をあげてエアモビリティの実用化を支援している動きだ。無人とはいえ、実際に街中を飛んでいる映像は非常にインパクトがある。韓国のロードマップでは、ドローンタクシーの商用化のタイムラインは2025年だ。また、当面は有人パイロットが乗る形での運用を想定しているという。日本も官民一体となって取り組んでいるが、世界中で実用化に向けた動きが加速している。