2020年11月9日、中国のハイテクロボットベンチャーであるMegaRoboがシリーズBで30m$の資金調達を実施したことを発表した。今回の資金調達ラウンドは、Sinovation Venturesがリードし、既存株主のRobert Bosch Venture Capital、JoyCapital、およびLiando Investmentが出資している。

生産プロセスを自動化する安価な協調ロボティクス

MegaRoboは、本社が北京にある2016年創業のベンチャー企業。すでに100人以上のフルタイム従業員を擁すると言われる中国のハイテクロボット会社は、最先端のマシンビジョンと人工知能(AI)を統合して、ラボオートメーション、スマートリテール、軽工業セクター向けのモジュール式で手頃な自動化ソリューションを開発・提供している。100以上の特許を持ち、独自のモーションコントロールテクノロジーに基づいてソリューションを構築している。

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ラボオートメーションでは主にライフサイエンス向けのサンプル自動処理を手掛けており、同社HPで公開されているところによると、約1,000万個のサンプルの自動処理実績がある。約100社のライフサイエンス企業に装置を提供しているという。例えば分子診断薬製造向けの自動試薬充填システムや、分子診断薬自動ディスペンサーシステムなどの製品がある。

もう1つのアプリケーションは、スマートリテール領域での全自動のスマートコーヒーマシンである。これは、完全無人で稼働可能であり、1日100杯~2,000杯まで、用途に応じてマシンモジュールの大きさが異なるラインナップを揃えている。

Robert Bosch Venture CapitalはシリーズAでリードインベスターとして参画

MegaRoboは2019年にシリーズAの資金調達ラウンドを実施しており、Robert Bosch Venture Capitalがリードインベスターとして参画している。

ボッシュはすでに家電製品の特別なアプリケーションにおいてMegaRoboのソリューションを自社に導入しており、他のアプリケーションも含めた協業の可能性から、シリーズAの投資を行っている。

ライフサイエンス領域の研究ラボを開設

今回のシリーズBと合わせて、MegaRoboはライフサイエンス領域におけるロボットの自動化ソリューションを強化するために、「Kunpeng Laboratory」を設立すると発表。

これは生物学の研究者とエンジニアによる共同チームでの研究開発機能となっている。アプリケーション側と一体となってロボットソリューションを開発するというものと想定される。


ー 技術アナリストの目 -
ライフサイエンス領域でのロボットによる自動化ソリューションは、日本も含め様々な企業が手掛け始めているが、この企業においてはボッシュのCVCが出資をしているというのが興味深い。すでに家電領域において一部同社のソリューションを使っているということであるが、今後、ライフサイエンスのみならずボッシュとアプリケーション開発が進むのを期待したい。