自動運転システムを開発する米国のベンチャー企業Aurora Innovationが、2020年12月7日、Uberの自動運転ユニットであるAdvanced Technologies Group(ATG)を買収することを発表した。

買収額は公開されていない。

Aurora Innovationは2017年に設立された米国カリフォルニアの自動運転システムを開発するベンチャー企業。

同社のCEOはChris Urmson氏は元Googleの自動運転プロジェクトのリーダー、共同創立者のSterling Anderson氏はテスラでオートパイロットの開発の主要メンバ、CTOのDrew Bagnell氏はカーネギーメロン大学のロボティクスの教授で、Uberの自動運転部門Uber Technologiesの立ち上げを支援した人物である。

この自動運転における豪華なチームと言われる同社は、乗用車、小型商用車、大型トラックを操作する自動運転プラットフォームであるAuroraDriverを開発している。

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Aurora Innovationの共同創設者兼CEOのChris Urmson氏は、次のように述べている。「Auroraにすでに集まっている素晴らしいグループに、UberのAdvanced Technologies Group(以下ATG)の人材とテクノロジーを追加することで、自動車両スペースの展望を変えていきます。ATGの追加により、Auroraは信じられないほど強力なチームとテクノロジー、いくつかの市場への明確な道筋、そして提供するリソースを手に入れることができます。簡単に言えば、Auroraは、輸送とロジスティクスをより安全に、よりアクセスしやすく、より安価にするために必要な自動運転製品を提供するのに最適な会社になるでしょう。」

Aurora InnovationはATGの買収に加えて、Uberとの戦略的パートナーシップの締結も発表した。AuroraとUberのパートナーシップをサポートするために、UberはAuroraに400m$を投資し、UberのCEOであるDara Khosrowshahi氏が取締役会に加わった。


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ー 技術アナリストの目 -
Uberが急速に中核事業以外を切り離し、事業売却を進めており、Uberの自動運転部門であるAdvanced Technologies Groupは中でも事業価値が高い最後のUberの所有物とされていた。Auroraは従業員約600名とも言われるが、Uber ATGは実に1,200名もの従業員を抱えると言われており、今回の買収によりAuroraが一気にリソースを手にすることになる。Auroraが自動運転開発競争でドライブをかけたということになり、今後の開発の加速や提携したUberとの動きに注目だ。