先日Amazonに買収されたZooxが、ロボタクシー車両の発表を行い話題になっている。今度はMotionalとLyftによる発表があった。無人ロボタクシーのサービスを米国主要都市で、2023年から開始するという。

いよいよロボタクシーのサービスインの時期が具体的になってきており、他社も含めて具体的な動きが数多く出てくると想定される。

改めてMotionalとLyftの概要について

レベル4自動運転車を開発するMotional

Motionalは元々は2013年にMITとカーネギーメロン大学からのスピンオフであるnuTonomyとOttomakitaの2社が前身となっている。

その後自動車Tier1のAptivが2015年にOttomakitaを買収し、次いで2017年にはnuTonomyも買収することで、両社がAptivの下で統合されている。2019年にはAptivは現代自動車と合弁会社を設立することを発表。今のMotionalという企業名が発表されたのは2020年8月のことだ。

米国ボストンに本社を置くMotionalは、Aptivが2社を買収して培ってきた自動運転の技術と現代自動車の車両製造とR&Dを組み合わせて、自動運転レベル4の完全自動運転車を実用化しようとしている。

2020年8月にMotionalについて発表された際には、2022年までに完全自動運転車の技術をロボタクシー会社が利用できるようにする、という目標が発表されていた。

ライドシェアリングプラットフォームのLyft

Lyftは2012年に設立されたライドシェアリングプラットフォームを展開するメガベンチャーである。

Uberと同様にスマートフォンのアプリ上でいつでも車を呼ぶことができる。現在、米国とカナダの一部の地域で利用が可能であり、Uberが世界でサービス展開をしているのに対し、Lyftは北米に絞って事業展開をしている点が特徴である。

Aptivとは以前より協業しており、Motionalができる前からラスベガスで実証実験を繰り返してきた。

MotionalとLyftの協業で自動運転ロボタクシーを2023年に開始

MotionalとLyftは、今回緊密に協力して、新しい車両をLyftプラットフォームにシームレスに統合し、フリート運用の責任を共有するという発表を行った。このサービスは2023年に展開を開始し、Lyftネットワーク全体でさらに拡張するための基盤が築かれる。

2020年11月に、Motional CEOのカール・イアグネマ氏は、自身のブログでネバダ州が完全無人での自動運転走行に許可を与えたと発表している。

ネバダ州を中心として、Lyftネットワークを活用しながらいよいよ自動運転ロボタクシーが社会実装されていくと想定される。


ー 技術アナリストの目 -
Uberは自動運転部門をオーロラに売却したが、引き続きオーロラと連携してロボタクシーの事業開発には取り組んでいくと思われる。一方でLyftもMotionalと組んで着実にロボタクシーを進めている。今回2023年という具体的な時期が明言されたことで、増々実証走行・サービス検証の動きが広まると想定される。