4月20日、中国の配車サービスを手掛けるDiDi(滴滴出行)の子会社で、自動運転技術を開発しているDidi Autonomous Driving Companyと中国の有力LiDARベンチャーであるHesaiが戦略的提携を行ったと発表した。

DiDi(滴滴出行)は自動運転技術を開発している部門を子会社化して、ロボタクシーの実用化を狙っている。なお、配車サービス米国企業のUberやLyftも同様に自動運転技術を開発し、自社でロボタクシー技術を確立しようとしていたが、UberもLyftもコロナウイルスによる影響から業績が低迷し、コア事業に集中するために自動運転部門を売却することになった。

今回のHesai Technologiesとの提携により、DiDiはHesaiのPandar128を採用することになる。このHesaiのPandar128は、同社ラインナップの中でもハイエンドモデルのLiDARとなっており、角度分解能は10Hzのリフレッシュレート時で0.1°(H)×0.25°(V)、最大点群密度は6,912,000pts/s、検出距離は最大200m(反射率10%の対象物)、高いレベルの外部環境に対する保護(等級:IP6K9K)を提供し、すべての気象条件で信頼性を確保している。

提携を通して両社は、反復的な自動運転技術の研究開発、車両と道路のコラボレーション、他のより多くのビジネスシナリオの共同探索を行い、より安全で効率的な自動運転旅行サービスを実現する。

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ー 技術アナリストの目 -
米国系配車サービスがコア事業以外を切り離す中、DiDiは依然として自動運転システムの開発を自社で行う方針となっています。そうした中、LiDARベンチャーのHesaiとの提携が発表されました。DiDiは今月ボルボカーズとも提携を発表しており、ボルボカーズはLuminarとの関係が深いことから、将来的にはLuminarなのかHesaiなのか、選択するタイミングが来るように思います。

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