5月13日、中国の自動運転ベンチャー企業であるWeRide(文远知行)は、新規投資家及び既存投資家から、数百億ドル(数百億円規模)の資金調達を実施したことを発表した。※数字の表記が一部間違っており、修正しています

今回の資金調達はシリーズCにあたり、新規投資家としてIDG Capital、Homeric Capital、CoStone Capital、Cypress Star、Sky9 Capital、K3 Venture等と、既存投資家からは、CMC Capital Partners、Qiming Venture Partners、Alpview Capitalが参加した。

今回のシリーズCにより、同社の時価総額は33億ドル(約3,500億円)になるという。

加速するWeRideの資金調達

WeRideは昨年12月にシリーズB1で200m$(約217億円)もの資金調達を行い、その後今年に入って矢継ぎ早にシリーズB2・B3で110m$(約119億円)の追加調達を行っている。更にその半年経たないうちに今回のシリーズCの調達を行うことになった。

資金調達を進める背景には、同社の広州を中心に進めている自動運転ロボバス・タクシーの実証が進んでいることがあると考えられる。

WeRideは2019年11月から広州でロボタクシーの運用を開始し、2020年6月、Autonaviのタクシー配車プラットフォームでWenyuan Zhixing Robotaxiサービスを開始。2020年11月の時点でこのロボタクシーサービスは、運用初年度に147,128回の輸送を安全に完了し、60,000人を超えるユーザーにサービスを提供し、積極的な責任事故は発生していないことも発表している。

今年4月にはカリフォルニア州で公道での自動運転無人車両の走行テストの許可を得たことを発表した。カリフォルニア州で自動運転無人走行を許可されるのは、同社を含めて現時点で7社のみとなっている。

参考:WeRide(文远知行)がカリフォルニア州で7社目の無人自動運転テストの許可を得る

米国と中国の両方で実証実験を進める中、今年2月には広州で正式な配車サービスとしての営業許可も受けており、広州では商用サービス化の本格的な準備に入ったと考えられる。今回調達する資金も、こうした米中での実証実験の拡大と、広州でのロボタクシー商用サービス化の準備に活用されると想定される。

参考:中国の自動運転企業WeRideが広州での自動運転配車サービスの正式許可を取得

 

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参考:(特集) 社会実装が始まる世界のロボタクシー市場動向


ー 技術アナリストの目 -
WeRideがまた数百億円規模の資金調達を行いました。わずか半年スパンでシリーズB→シリーズCなので、ペースとしてはかなり早いことになります。恐らく広州でのロボタクシー商用サービス化や、Yutong Groupと手掛ける自動運転無人シャトルの拡大、カリフォルニアでの実験拡大など全てを並行して投資していくことから今回の資金調達を行ったものだと思いますが、今年更に同社の事業開発の動きが加速しそうです。