触覚フィードバック機能を備えたVRグローブを開発しているベンチャー企業のHaptXが、シリーズAを実施し、12m$(約13.3億円)を調達したことを発表した。

2回目のシリーズA

HaptXは米国シアトルのハプティクスベンチャーだ。2012年に設立されて以降、今回調達する12m$を加えて、資金調達の総額は31m$となる。

今回のシリーズAは、既存投資家のVerizon Ventures、Mason Avenue Investments、Taylor Frigon Capital Partners、Upheaval Investmentsからの出資となっている。

実は同社は2019年にもシリーズAを実施している。この時も12m$と今回と同額の調達であり、同社のこの時に調達した資金を活用して、HaptX Gloves DK2を開発。2021年1月に発売を開始していた。

参考:ハプティクス(触覚)グローブのHaptXが最新モデルを販売開始

触覚VRグローブは半年で完売

同社の触覚フィードバックは、特許取得済みのマイクロ流体システムに独自性があり、1つのハンドデバイスに130ポイント以上の触覚フィードバックで、高いリアリティーの触覚を実現する。

同社が発売したHaptX Gloves DK2は、わずか6か月足らずで完売することになり、今回、資金調達と合わせて、DK2の2回目の製造を発表した。

「COVID-19パンデミックは、仮想現実とテレロボティクスの企業での採用を加速させました。」とHaptXの創設者兼CEOであるJake Rubin氏は述べている。

同社は現在、ワシントン州レドモンドに新しい本社を構え、今後12か月で会社のすべての分野で数十の新しいポジションを追加し、人材採用を加速する。

 

同社HPはこちら


ー 技術アナリストの目 -
前回に引き続き2回目のシリーズAとなりました。通常、シリーズAの次はシリーズBへと移行し、調達額を大きくしていきますが、今回もシリーズAの扱いということは、あくまで想定ですが同社の事業の状況はまだキラーアプリケーションを見つけきる手前ではないかと考えられます。DK2の販売は良い実績を残せたので、DK2を核にしながら再度シリーズAでキラーアプリケーションを探索する(またはパートナーとアプリケーション開発を行う)活動を行うのではないでしょうか。前回に比べて、しっかりと触覚フィードバックグローブが売れたというファクトがあるので、引き続き用途探索が可能になったと見えます。

【世界のハプティクス技術調査に興味のある方】

日本・海外の触覚フィードバック(ハプティクス)技術の動向調査や、世界のハプティクスベンチャーのロングリスト調査、大学も含めた次世代技術の調査に興味がある方はこちらも参考。

詳細:先端技術調査・リサーチはこちら