中国の自動運転バンを開発しているNeolix(新石器慧通(北京)科技有限公司)は、8月18日にシリーズBの資金調達を実施した。出資者はSoftbank Ventures Asia、Yunqi Partners、CICC、Glory Venturesら、ベンチャーキャピタルが参画している。

なお、資金調達額は非公開となっている。

自律配送のコンビニエンスストアを目指す

Neolixはドライバーのいない、自動運転レベル4での自律配送を行う無人バンを開発している。2014年に設立されたこの中国ベンチャー企業は、前回のシリーズA時に、中国のスマートEVベンチャーであるLi Auto(理想汽車)からも出資を受けている。

Neolixの第一世代の車両は2018年にBaiduの開発者会議で発表された。その後同社は開発を続け、現在第三世代の車両を生産している。アリババや美団、Huaweiなど様々な中国企業とパートナーシップを締結し、事業を推進している。

同社のターゲットは都市内の食品・医薬品などの物の自律配送であり、コンパクトで低速で稼働するラストワンマイルを狙っている。例えば同社はKFCと提携し、無人でのKFCの商品配送を行っている。街中で実際に行っている様子が以下の動画である。

Bloomberg公開の動画への直リンク

ユーザーは、自動車上のスクリーンやスマホアプリ上で食品を注文し、近くにある車両から食べ物を取り出してドアを閉めるだけで購入プロセスが完結する。Neolixの自動運転車には温度管理された貨物ボックスモジュールがあり、65℃の保温が必要なランチボックスでも、-18℃で冷蔵が必要なアイスクリームでも配送することができる。

これまではYicheng International、BDA Enterprise Avenue、Beijin Yizhuang Biomedical Parks(北京亦荘生物医学パーク)などの一部エリアで実証実験がされていたが、2021年5月には北京の公道で車両走行が許可され、150台が配備されることが発表されている。

 

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ー 技術アナリストの目 -
いわゆるNuroの中国版で、ターゲットとしている市場も全く同じです。車両が小型・低速走行であり、北京や上海の様な密集型都市部でサービスが確立できれば、中国に留まらずシンガポールや他のアジアの都市や中東など、同じように展開できるスケーラブルなモデルです。Valeo-美団が開発した車両も同様で、この都市内自律配送は競争が激化しています。

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