中国のスマートフォン大手のXiaomi(シャオミ)は、自動運転技術を開発するDeepMotion(深动科技)を買収したことを発表した。Xiaomiの四半期決算資料によると、買収金額は77.37m$(約85億円)であるという。

ビジョンベースの3Dマップ作成技術をコアとするDeepMotion

DeepMotionは2017年に設立された中国のベンチャー企業である。

R&D色の強い企業で、同社のCEOであるCai Rui氏はコンピュータービジョンの専門家であり、CTOのLi Zhiwei氏はセンサーフュージョンとAIの専門家、CSO(チーフサイエンスオフィサー)のYang Kuiyuan氏はディープラーニングとコンピュータービジョンの専門家と、創業者が全員技術畑であり、Microsoft Research Insitute出身というのが特徴だ。

独自開発のビジョンベースの高精度のマップをコアとして、自動運転ソリューションを開発している。例えば、自動バレーパーキングや、高精度測位ソリューション、高精度マップソリューションなどがソリューションとして挙げられる。

同社の測位技術はカメラをベースに、GPS信号による測位を補強する。市街地、トンネル、地下室などの弱いGPS信号シナリオで10cm程度のリアルタイム測位精度を実現するという。歩行者、車両、道路上の速度と距離、交通灯、道路標識、手すり、車線などの情報を認識することができ、データを手動でラベリングする手間を削減している。

(補足)なお、2018年のシリーズA調達時には前後方30~40cm程度、左右20cm程度の測定誤差であったことが発表されていた。

急速に自動車分野へ参入するXiaomi

Xiaomiは、近年、ベンチャー企業への出資・買収を通して、急速に自動車業界へ参入をしている。特に同社がターゲットとしているのは自動運転とEVだ。Xiaomi本体、またはXiaomiのCEOであるLei Jun氏が立ち上げたVCのShunweiキャピタルを通じて幅広く投資を行う。

2019年にはスマートEVのXpeng(小鵬)のシリーズCラウンドで400m$(約439億円)もの巨額調達のリードインベスターの1社となっており、Shunweiキャピタルを通じてNIOにも出資をしている。他にも電池メーカーのSVOLT、LiDARメーカーのHesai、ADASのZongMu Technologyなど、幅広く自動運転・EVのコアコンポーネントへの出資を行う。

最近のXiaomiの動き

参考:中国の電池メーカーSVOLT Energy(蜂巢能源)がシリーズBで約1,700億円を調達

参考:HesaiがシリーズDでXiaomiらから300億円超の資金調達を実施

参考:ADAS・自動運転ベンチャーのZongMu TechnologyのシリーズDが完了、デンソーやXiaomiが出資

Xiaomiは、3月に電気自動車プロジェクトを開始した後、500人の専門家からなる自動運転チームを設立したと報じられている。XiaomiのEV・自動運転分野の立ち上げは加速している状況だ。

 


ー 技術アナリストの目 -
現在、DeepMotionのHPは筆者がアクセスしても画面に何も表示されない状態になっており、閲覧ができない状態になっていました。上述の通り、カメラベースの測位技術・環境認識技術により、低コストで高精度の3Dマップを作成する、というのが同社のコア技術であり、Xiaomiは自動運転L3以上で特に重要となってくるマップ作成技術を内部に獲得したことになります。Xiaomiのこの分野の立ち上げは非常に早く、今後も他のベンチャー企業への投資や買収の動きがあってもおかしくありません。

【世界の自動運転技術の動向に興味がある方】

世界の自動運転技術の動向調査、欧米・イスラエル・中国まで含めた網羅的な自動運転関連技術のロングリスト調査などに興味がある方はこちらも参考。

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