ADAS・自動運転システムのテスト・検証を自動化するソリューションを開発しているイスラエルのForetellixが、シリーズBで32m$(約35億円)を調達したことを9月1日に発表した。

今回の資金調達ラウンドはMore Tech Venturesがリードインベスターとして主導し、Volvo Group Venture Capital、Nationwide、NI、Japan-Israel High TechVenturesなどの投資家が参画した。また、既存投資家では83North Ventures、Jump Capital、OurCrowd、NextGearなどの、シリーズAに出資をした投資家がシリーズBでも継続的に出資を行った。

自動運転システムのテスト・検証を自動化

自動運転機能のテスト・検証は非常に大変な作業だ。外部環境は非常に複雑であり、自動運転が高度化するにつれて、検証しなければならないシナリオは飛躍的に増大する。

またテスト・検証はシミュレーションだけでなく、実環境でもテストを繰り返す必要がある。

そうした複雑なシナリオを自動で作成し、検証結果のデータを一元化管理できるプラットフォームが、Foretellixが開発しているソリューションである。

自動運転システムの開発者は、同社が開発しているツールを使い、シナリオカテゴリ(複雑な車線変更、センサーの障害、気象条件など)の検証およびカバレッジ計画を定義し、シナリオカテゴリごとに、オープンで高レベルのシナリオ記述言語を使用し、測定可能なカバレッジ要件を定義する。何億ものパターンのコア+エッジケースシナリオを自動で作成し、測定結果を管理し、改善・反復することができる。

顧客はこのツールを使うことで、ADAS・自動運転の機能を市場投入する時間を短縮することができる。

OEM・Tier1など数十の企業が利用

Foretellixの発表によると、現在同社のプラットフォームは需要の急激な増加を経験しているという。同社はこう述べている。

「Foretellixは、そのプラットフォームに対する需要の急速な増加を経験しています。この需要は、オンロードとオフロードの両方で、ADASおよびAV製品を開発している主要なOEMおよびTier1から来ています。Foretellixは現在、Volvo GroupやDENSO Corporationなど、自動車業界で数十の大手企業と商業的に関わっています。」

 

ForetellixのHPはこちら


ー 技術アナリストの目 -
ミシガン大学のMcityなどもそうですが、自動運転のテストシナリオの生成を簡易化・自動化し、そして測定結果を管理することができるツールを使うことで、テスト・検証時間を短縮するという動きが出ています。今後、単体の自動運転だけでなくV2Xの機能なども実装されることで、テストシナリオは飛躍的に増大することが見込まれ、テスト・検証プロセスにおける効率化のインパクトは重要性を増しそうです。

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