スマートEVを製造・販売している中国のXpeng(小鵬汽車)が、9月7日に、同社のTwitterで家庭用ロボットについて発表した。

Xpeng Roboticsで開発中の4足歩行ロボット

今回発表されたロボットは、家庭用の4足歩行ロボットであり、XpengグループであるXPeng Roboticsで開発が行われている。

「スマートリトルポニー、リトルホワイトドラゴン(The smart pony, Little White Dragon)」と表現される同社のロボットは、子供向けであり、動きはボストンダイナミクスのSpotなどに似ている。

Xpeng公開の動画への直リンク

様々なセンサーを搭載しており、マルチモード認識・物体知覚機能を保有、インテリジェントな動作で対象を追いかけたり、でこぼこした道でも歩行し、障害物を自動で避けながら進むことができる。そして感情的なインタラクションが可能であり、顔や音声を通して感情認識を行うこともできる。子供はロボットに乗って移動するようなことも想定しているようだ。

Xpengはまだこのロボットの生産開始時期については明かしていない。

継続性に課題があるペットロボット

さて、Xpengの今回の発表は、ロボットという人間の新しいパートナー・ペットとしての存在を家庭の中に入れるという試みであるが、以前よりソニーのAIBOや様々な家電メーカーがチャレンジしている領域だ。

ただし、このペットロボット市場は、商業的な継続性を実現することが非常にハードルが高い領域でもある。

ソニーは、過去に日米欧で累積15万台売れたロボット「AIBO」の新型を2018年から販売しており、販売再開から半年経過時で約2万台の販売がされたことを発表。現在も多くの人のブログでやAIBOのコミュニティでペットとして可愛がられている様子が見える。

ソニーは非常に頑張っているが、他の多くの家電メーカーやソフトバンクのペッパーはほとんど失敗してきた(なお、ソニーについては実際にAIBOの購入ユーザーのどの程度が「継続ユーザー」なのか、がわからないため、成功なのか失敗なのかはわからない)。

その機能を見ると大したことができるわけではなく、一方で人とロボットの感情的な繋がりを目指すことは非常に難易度が高い。ロボット感が強いと人はすぐに飽きてしまう。

Xpengが開発しているロボットは何か日常のペインを解決しているわけでは無いため、人間と情緒的な繋がりを持てるか、という点に焦点が当たる。しかし多くの家庭用ロボットが壁に当たったように、この人間と機械のインタラクションは簡単ではない。

Xpengのロボットがどのように受け入れられるのか(または受け入れられないのか)、注視していく必要がある。

 

今回関連するXpengのツイッターはこちら


ー 技術アナリストの目 -
Xpengは自動運転を中心とした壮大なエコシステムを作ることを戦略として描いており、その一環としてロボットや空飛ぶ車にも参入をしようとしています。ただし、かなりシーズアウト的な発想であり、特に家庭用ロボットは簡単ではありません。持続的なビジネスモデルを実現できるのかどうか、発売されたとしても継続しない可能性も大いにあります。

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