中国のスマートEVベンチャーであるXpeng(小鵬汽車)が出資を行い、支援をしているHT Aero(小鹏汇天)が、新型の自律飛行車両であるXpeng X2を最近発表した。

XPeng X2は、9月28日から広東省朱海で開催される中国国際航空宇宙展示会(第13回エアショーチャイナ2021)に出展している。

Xpengが開発する第5世代の機体

Xpeng X2は過去数年間Xpengが開発をしてきた機体の第五世代にあたる。

昨年の北京モーターショーでは第三世代の機体が発表され、今年4月に開催された上海モーターショーでは第四世代の機体も発表されていた。年内に第五世代の発表を行うことも上海モーターショーの時の発表で触れており、宣言通りの第五世代の発表となった。

参考:【上海モーターショー2021】スマートEVベンチャーのXpengが最新の空飛ぶ車機体を展示

Xpeng X2の試験フライトの様子

Xpeng HT公開の動画への直リンク

この第五世代は、インテリジェントな飛行制御システムと自律飛行機能を備えた、2名乗りの小型機体となっている。原則、パイロットによる操縦は想定されていないようで、ユーザーが入力した目的地に基づいて、周囲の建物、飛行禁止区域や立ち入り禁止区域、気象条件などの要素を包括的に評価してインテリジェントな自律飛行ルート計画を策定する。

そして、ユーザーによるワンキー(ワンプッシュ的な意味と思われる)での飛行スタート、そしてリターン、ランディングを可能としており、ユーザーフレンドリーなインターフェースが意識されている。

構造材はフルカーボンファイバーで軽量に製作されており、重量は560kg(バッテリー付き)で、最大離陸可能重量は760kgとなっている。また、時速130kmの最大速度、35分の航続可能時間であり、短距離の都市輸送ニーズを満たすことができる。低高度の都市飛行シナリオとして、航空パトロール、フィールドレスキュー、医療輸送などが想定されている。

 


ー 技術アナリストの目 -
Xpengのアーバンエアモビリティに関する発表が加速してきました。昨年の北京モーターショー、そして今年の上海モーターショー、今回と、おおよそ半年に一回程度のペースで最新機体の発表があります。スペック的にはかなりEHang216の機体に似ていることになり、EHangと競合しそうです。Xpengが今後、どのように異なるモビリティを統合してくるのか、要注目となります。

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